初めての来院2
2014年02月02日 (日) | 編集 |
先生は少し困ったような苦笑いをしてみせた。
そうなるのも分かる。
自分でも、矛盾していることを言ってるなー、と思った。

治りたいと思ってる。
でも、体重が戻るのが怖い。
想像できない。
ガリガリになる前の自分は、もうおぼろげにしか思い出せない。
でも先生には、この矛盾した気持ちを分かってもらえるという変な期待があった。
だって先生は、これまでにも摂食障害の患者さんを治療しているはずで、その人たちだって私と同じことを言ったはずだもの。
自分たちではどうしても回復できないから、体重が戻るのが怖くて食事出来ないから、だから助けて欲しくてここに相談に来るはずだもの。

どのくらい私の訴えが伝わったのかはよく分からなかったけど、私の矛盾した希望を否定するようなことは、先生は言わなかった。
けど、魔法のような治療案もなかった。
そりゃそうだ。
痩せ細った体を回復させる=体重が戻る、という流れは、どうしても避けようがない。
むしろ、体重を戻した姿が自然な状態なわけなんだから。

やっぱり、私はもう一生このまま恐怖に囚われて食べられず、いつかは死んでしまうんだろうか。
先生が言う入院や点滴は、とてもじゃないけど怖くて出来そうにない。

そう絶望感が襲った次の瞬間、先生がこんな提案をした。
「入院して体重を戻すのが怖い、薬を飲んで食欲を出すのが怖い、となると、私が出来ることは、アドバイスをあげて様子を見ることぐらいかもしれません。このままの状態で過ごせば、近い将来に倒れて、どのみち入院することになるでしょう。現段階で、入院意外に道があるとすれば、それは『自分で頑張って食事をし、少なくともこれ以上は体重を落とさない』こと。そして、最低でも少しは体重を戻すこと。ただ、それが出来ないからこそ相談へきて、入院するという人は多いです。もし、どうしても自分で頑張って食事することに挑戦したいようであれば、ここの心療内科のカウンセラーを紹介します。カウンセラーと話して食事や体重が戻ることに対する恐怖心を和らげながら、頑張って自分での食事にトライしてみてください。そうなると、しばらくは私とカウンセラー、そしてあなたとの、三人での治療になるでしょいう」

カウンセラーと話をしただけで、恐怖心が小さくなって、食事ができるようになるとは思えなかった。
でも診察に来たからには、「ちょっと考えてからまた来ます」なんてことは出来そうになかった。
とりあえず、何らかの方法を試すことをその場で先生に伝えなければいけなかった。
「じゃあ、カウンセラーを紹介していただくことを希望します。もう少しだけ、自分で頑張ってみます。明らかに倒れそうだと感じたら、入院することにします」
そう言うと、先生は「今の状態ですでに『明らかに倒れそう』なんだけどね」と苦笑いしながらも、カウンセラーの手配を進めると言ってくれた。

先生は、体重が戻ることや食事が怖いと感じる理由は、様々な要因が複雑に絡み合っていることが多いと言った。
「太るのが怖い」という単純な理由だけが原因ではないらしい。
そう言われても、自分には全く思い当たる節が無かった。
体重が戻るのが怖い=太るのが怖い=食べるのが怖い、それ以外に何か理由があるだろうか?

診察にどれくらい時間が掛かったのか正確には計らなかったけど、風邪で診察を受けるよりはよっぽど長く先生は話を聞いてくれた。
お礼を言って診察室を出ると、会計前の書類を受け取る時に看護婦さんから「次回はカウンセラーとの診察からになります」、と言われ、日時を伝えられた。

病院からの帰り道は、相変わらず息切れのする道のりだった。
やっぱり自分でどうにかして食事をする以外に、私がなんとか受け入れられる方法はないみたいだ、という絶望感と共に、今度話をするカウンセラーなら、もしかすると不安で怖い今の気持ちを和らげる方法を知っているかもしれない、という希望を持てた日だった。


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